うゐの奥山行(16)―マチャプチャレBCへ2009/01/15 10:56

ヒウンチュリ(6434M)

12月18日、いよいよABCだ。テジくんから、気温があがると雲が出て景色が悪くなるので、いつもより早く出発しましょうといわれていのだが、結局、あたりが明るくなるのを待って、6時45分頃に歩き始める。実は、ここまで予定を先行して急いできたのは、天気のいいうちにABCを見せたいテジくんの配慮だったのだ。モディ・コーラの河原に沿ってマチャプチャレBC(3700M)を目指す。傾斜はきつくないが、大きな石がごろごろしていて、歩きやすいとはいえない。昨夜の一行は、真っ暗闇の中、よくここを下ってきたものだと思う。奥さん、よほど頭が痛かったに違いない。デウラリからMBCへつづく道は、急峻な崖に挟まれた雪崩の名所である。気温が緩むと危ないので、雪の季節、ここを通るのは午前中に限るという。テジくんもガイドになったばかりの頃、日本人のゲストを2人連れてここを通ったとき、ほんの1、2分差で巻き込まれそうになったことがあるそうだ。しばらく歩いていると、テジくんが上の方を指し、「ヒウンチュリが見えますよ」という。見あげると、崖の上で三角形の白い頂が朝陽に光っている。「ヒウンは雪、チュリは山で、雪山という意味です」。その言葉が胸の奥にすとんと落ちた。私は、あの山を目指してここにきたのか。

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