山は遠かった(出発)―Langtang&Helambu trek2014/01/03 11:54

昨年はスリーパス・ルートに挑戦、見事に敗退した反省から、今年のヒマラヤ・トレッキングは、最初からあまりストレスを感じないルートをと、初級者向けという噂(あくまで)のランタン谷と決め、それだけでは物足りないだろうとゴサインクンドをくっつけて12日間のスケジュールを作成。エアラインは今年も大韓航空。往復とも仁川で半日のトランジットがあるが、変更可のチケットでは一番安いため(要手数料)。おかげで昨年トレッキングを中止してカトマンドゥに戻った際も、便を変更して予定より早く帰国し、年末休みに入る前の病院に駆け込むことが出来た。
大韓の成田→仁川の機内食
12月8日出発。昨年は空港の外のビジネスホテルに泊まって費用を浮かせたが、出国時間が中国便と重なっていて、外に出るのにえらく時間がかかったのと、面倒なのとで、空港内のトランジットホテルを選択。行きは窓のない部屋だった(↓)
仁川のトランジットホテルの部屋
夕食は、空港のモールにある韓式レストラン「秘苑」へ。本当はジョンでビールを飲もうと思ったが、メニューにないので冷麺にした。写真は麺をハサミで切ってもらったところ(↓)
夕食は空港のレストランで冷麺
翌9日。仁川は雨。去年は雪で機体に不凍液をかけていたのに。今年は猛暑で台風が多かったが、この例年にない天候不順が、この後、思いがけない影響をもたらすことになる…。
仁川は雨
大韓航空名物ビビンバ。ご飯とナムルとコチュジャンを混ぜたところ(↓)右下の黒いのがワカメスープ。
大韓の名物機内食ビビンバ
カトマンドゥに近づくと右手にエベレストが見えてくる(↓)ゆえに選べるときは右の窓側の席がよい。キャセイ航空(香港・カトマンドゥ間はドラゴン航空)は往復とも深夜便なので見えない。
機中からエベレスト
ほぼ予定時刻にトリブヴァン空港着。入国検査場にすごい列が出来ていたが、無事に通過(機内でもらった入国申請の紙は不要になっていた)。バッゲージ・クレームに行ってびっくり。去年まで2本だったベルトが4本に増えている(といっても荷物の出て来る時間は相変わらずだが)。というわけで、スイスイというわけではないにしろ、あまり手間取らずに外に出ると、迎えに来てくれたヒマラヤン・アクティヴィティーズのラグーさんが手を振ってくれた。ラグーさんの車でタメルへ向かう(↓)
ラグーさんの車でタメルへ
ホテルはいつものホーリー・ヒマラヤ。フロントの顔なじみの女性(美人)と1年ぶりの再会。去年も泊まった広いダブルの部屋をもらう。ヒマラヤン・アクティヴィティーズのオフィスで支払いと明日からのトレッキングの説明を受け、オフィスのそばで両替。1ドル96ルピーのところ、がんばって少し上乗せしてもらう。夕食は絶対にここと決めていたギリンチェで、チョウメンでビールを飲む。明日からは禁酒だ。
ギリンチェで夕食

山は遠かった(Day1)―Kathmandu to Syabrubesi2014/01/03 12:56

12月10日、4時半に起きて荷物を作る。ピックアップは6時15分なので、5分前にロビーに降りていくと、ガイドのラジューくんが現れた。あまりに時間ぴったりなのでびっくり。今回ポーターについてくれるゴレくんに挨拶し、車でカトマンドゥの北、マチャポカリのバス発着所へ。バスはスーパーエクスプレスという急行で全席指定だ(↓)
シャブルベシ行のバス(スーパーエクスプレス)
バスは6時20分発だが、なんだかんだで7時近くになってようやく出発。市街地を出ると、すぐに険しい山道になる。ポカラへ行くときの山越えもすごいが、こっちの方が急な感じ。2時間ほど揺られるとトイレ休憩になるが、そこはただの道端だった(おいおい!)10時すぎに昼食休憩。皆でダルバートを食べる(↓)
昼食休憩をとったレストラン
食堂の隣の八百屋に、おいでおいで(ちょうだいちょうだい?)をする飼い犬がいた(↓)
レストランの隣の八百屋さん

あちこち崩れた跡だらけの見るからに危ない山道をさらに奥へ進むと、前方に山が見えてくる。
トリスリ川の先に山が見えてくる
ゴサインクンド・トレックの出発点ドゥンチェまで1Kmの道標。
ドゥンチェまで1Km
ドゥンチェのチェックポストでTIMSの許可証と入域料のレシートを見せる(全部ガイドのラジューくんがやってくれるので、私はのんびり写真など撮っていた)。
ドゥンチェのチェックポスト
ドゥンチェ(1950m)からシャブルベシ(1460m)までは急な下り。山肌に大規模な山崩れがあったような跡を発見。
ナイフでカットしたような山肌
午後2時すぎ、行く手の谷底にシャブルベシが見えてくる。
シャブルベシが見えてくる
午後2時20分頃、終点シャブルベシ到着。
シャブルベシの目抜き通り
本日の宿泊はホテル・スカイ。2階右側のテラスのある部屋をもらう。
1日目のロッジHotel Sky
中はこんな風。トイレ&シャワー付きだけど、お湯が出るかどうかは不明。
ロッジの部屋



山は遠かった(Day2)―Syabrubesi to Lama Hotel2014/01/03 14:04

12月11日、いよいよトレッキング開始。ロッジは、これからヤラ・ピーク(5500m)に登るマレーシア人グループと一緒。彼らはキャンジンゴンパから先はテント泊なので荷物がすごい。通信に使うのか、太陽光パネルもあった。
マレーシア人グループの荷物
7時半に朝食。チベッタンブレッドとハチミツ。この辺は揚げパンではなく、焼いたもの(私はハチミツが苦手なのだが、今回のトレッキングでヒマラヤのハチミツが好きになった)。
焼いたチベッタンブレッド
8時出発。町を出るとすぐチェックポストがある(ここの車道は中国が造ったものだそう)。ゲストを先に行かせて、マレーシア人グループのガイドが許可証のチェックを受けているところ(↓)順番を待ちながら、登山許可証をまじまじ見てしまった。すると、係官が忙しいのを横目に男性のトレッカーが黙ってスルー。こういうルールを守らない奴はサイテーだ!と思ったものの、いつものおばさんパワーが出ず、注意しそびれる。
Yala Peakに登るマレーシア人グループのガイドさん
初日はシャブルベシ(1470m)からラマ・ホテル(2480m)までランタン・コーラを遡る約1000mの上りである。最初のうちは平坦なので、鼻歌まじりに気楽に歩いていけたが、次第に道が険しくなってくる。富士山だと上りなら上りっぱなしだが、ヒマラヤには単純な上り下りはなく、登ったり降ったりしながら高度を上げていくので何倍も疲れる、ということを急に思い出す(すっかり忘れてたぜ)。
ランタン・コーラを遡っていく。
10時半頃、行く手の山肌にパイロ(1800m)のロッジが見えてくる(↓)パイロとはランドスライド(崖崩れ)という意味で、確かにそんな感じ。ランタン・コーラの谷に穿った道はアップダウンが激しく、かなり消耗する。9月から11月まで超多忙で、トレーニングどころかウォーキングさえ出来なかった身(&脚)に堪える。
バンブーのロッジが見えてくる。
11時半すぎ、バンブー(1930m)のナマステ・ゲストハウスで昼食。谷が狭く、日が差さないので、外の椅子に座っていたら寒くなり、中に入ってストーブにあたる。まだ1歳未満の若い猫(たぶん雌)がウロウロしていたので、膝に乗せてモフモフする。
バンブーのロッジの猫
昼食のカレー(↓)これでも今回食べたカレーの中では最もカレーっぽかった。ロッジの食堂では、他に日本人のカップル(「地球の歩き方」を読んでいた)がヌードルスープを食べていた。
昼食のカレーライス
13時頃に再び歩きだし、15時頃リムチェ(2470m)通過。バンブーからリムチェまでは一気に500m上げる険しい山道だ。
ラマ・ホテルのフレンドリー・ゲストハウス
15時20分頃、ラマホテルのフレンドリー・ゲストハウス着(↑)
ランタン・トレックはエベレストやアンナプルナ方面に比べると人が少ないと聞いていたが、ロッジの数が少ないのか、意外に混んでいる。ロッジのご主人は嗄れ声の陽気なおじさん。
私の部屋
ロッジの部屋(↑)今日はツインの角部屋。かなり汗をかいたので、物干しロープを渡して、衣類と靴下、手袋を干した。汗が冷えたせいか寒気がするので、ビタミンCと葛根湯を呑んでおく。疲れて食欲が落ち、夕食に頼んだヴェジ・ヌードルスープを半分残してしまった。

山は遠かった(Day3)―Lama Hotel to Langtang2014/01/04 10:30

12月12日。7時半朝食、8時出発が基本なので、毎日6時すぎに起きて支度。昨夜は食欲がなく、朝食が食べられるかどうか不安だったので、缶詰のフルーツを頼んでおいたら(朝食は前日に頼んでおく)出て来た缶詰が温かい(↓)「あれ、温かいね」と言うと、「だって寒いだろ」とロッジのおじさん。確かに。おじさんの温かい心遣いに感謝し、初物の温かいマンゴーのシロップ漬けを美味しくいただく。でも、朝起きたら体調が回復していたので、普通の朝ご飯でもよかったんだ。ま、いいけど。
温かいマンゴーの缶詰
8時に出発。ランタン・コーラ沿いの道を遡って行くと1時間ちょっとでリバーサイドを通過。
ランタン・コーラのリバーサイドを歩く
さらに、こんな森の中の道を登っていくと、前方にランタン峰が見えてくる。
しばらくは森の中を歩く
標高3000m近くなり、森林限界を超えたのか、森が開けてこんな乾いた道に(↓)
森林限界を超える
ゴラタベラ(2970m)のチェックポストでTIMS許可証と入域料のチェックを受ける。
ゴラタベラのチェックポスト
チェックポスト横の看板に高山病の注意が出ていた(↓)ランタン・トレックは出発点のシャブルベシから終点のキャンジンゴンパまで2300mあまり高度差があり、急ぐと高山病に罹りやすい。ラマ・ホテルからキャンジンゴンパまで1日で行けないことはないが、どのガイドブックでも高度順化のため、ランタンで1泊するよう勧めている。
チェックポスト横の注意書き
11時45分、タンシャップのロッジで昼食。ヴェジ・サンドイッチを頼んだら、炒めた野菜をチベッタンブレッドに挟んだものが出て来た(↓)見かけは素っ気ないが、とても美味しかった。
タンシャップで食べた野菜サンド
さらに奥地へ。2時近く、行く手の谷底にランタンが見えてくる。
ランタンが見えてくる
橋を渡ると、もうすぐ村だ。
ランタンの手前の吊り橋
2時10分、ランタン(3430m)着。昨日今日と、2日続けて1000m上げて、さすがに疲れた。
ランタン着
考えてみると、エベレスト方面は、初日はルクラからパクディンまで200m下るだけだし、アンナプルナ・ベースキャンプだとナヤプルからガンドルックまで900m近く上げるものの、その後は(キムロン・コーラ越えを除き)緩やかだし、初日2日で2000mというのは結構過酷な方ではないかと思う。ランタン・トレックは初級向けというけれど、山には初級、中級なんて区別はない。あるのは歩く人の初級、中級だけだってこと。

山は遠かった(Day4)―Langtang to Kyanjin Gompa2014/01/04 10:40

12月13日。朝はさすがに寒く、見ると山肌の滝が凍っている。腕時計(SuuntoのCORE)の電池が切れそうなので取り替える。バッテリーキットを持ってきてよかった。
ランタンの朝、滝が凍っている
寒いので台所に入って竈の火にあたらせてもらう。朝食のチベッタンブレッドを焼くところも見学。燃える火をみていると、温かいだけでなく、心が落ち着く気がする。
寒いので竈の火にあたらせてもらう
8時出発。1時間足らずで見事なマニ石の壁を通過。行く手に見える家はムンドゥの村(3442m)
見事なマニ・ウォールが続く
村をすぎ、さらに奥地へ。10時半頃、キャンジンリ(4773m)が見えてくる(↓)キャンジンゴンパからは、山が陰になってピークは見えない。
キャンジンリ(4773m)
少ししてチョルテン通過。キャンジンゴンパまで、あと30分。
キャンジンゴンパの手前のチョルテン
11時、キャンジンゴンパ着。ホテル・ヒマラヤン・パラダイス(↓)に投宿。聞けばラマ・ホテルのフレンドリー・ゲストハウスとランタンのロッジ(名前忘れた)と、ここは親戚同士なのだそう。
ホテル・ヒマラヤン・パラダイス
昼食にツナ・サンド(パンはもちろんチベッタンブレッド)を食べ少し休んでから、ラジューくん、ゴレくんと散歩に出る。キャンジンゴンパの名前の由来となったゴンパと、その横のチーズ・ファクトリー(スイスの援助で1955年に出来た)が主な名所で、どっちもロッジから歩いて数分(奥の旗が立っているところ↓)。
キャンジンゴンパのゴンパ(寺)
ゴンパの前で記念撮影(↓)
ゴンパの前で
隣のチーズ・ファクトリー(↓)は当然のことながら冬期休業中で、名物ヤク・チーズは買えなかった。ラジューくんによれば、これから行くシンゴンパにもチーズ・ファクトリーがあり、そっちのチーズの方が美味しいという。
キャンジンゴンパのチーズ・ファクトリー