うゐの奥山行(25)―デウラリへ ― 2009/01/20 09:18

12月21日、6時30分起床。ロッジには、なんと西洋式水洗トイレが備えつけられている。が、流れが悪くて往生する。これなら、水でジャブジャブ流せる普通のネパール式の方が簡便でいい。朝食を食べ、フィンランド青年一行を見送ってから、ゆっくり8時に出発。今日はダンプスまで5時間かけて、山肌に沿った“上りもなく下りもない”道を行くのだ。しばらくして、昨日、村の入口で見かけた若者グループに追いついた。「カトマンズから来た学生たちです」とテジくん。東京なら高尾山だが、カトマンズだとヒマラヤにハイキングに来るんだな、と感心していると、「村に3階建てのロッジがあったでしょ。彼たちはそこに泊っていたんですが、昨夜、天井が落ちたんです」と、びっくりするようなことをいいだした。聞けば、学生8人が2階でトランプをしていたら、床が抜けてしまったのだという。幸い怪我人は出なかったが、すごい音がしたので、みんなで見に行ったのだそうだ。そんな村の歴史に残る(かもしれない)大事件が起きたことも知らず、私は白河夜船であった。残念。10時30分、急な坂を上りきり、デウラリ(2080M)着。ここで上りは全部おしまい。終わってみると、なんとなく寂しい。
うゐの奥山行(26)―ポタナからダンプスへ ― 2009/01/20 12:02

ポタナ(1890M)の検問所でトレッキング許可証を提示し、チェックを受ける。係のおじさんが許可証の名前を確認し、腕時計を見て通過時間を台帳に書き入れる。私もスケッチブックを出して、おじさんが押していた検印を記念に押してもらう。では、と、歩き出そうとすると、すぐ隣にまた検問所がある。「ここはTIMS(トレッカーズ・インフォメーション・マネージメント・システム)です」とテジくん。さっきの検問所はNTNC(自然保護ナショナルトラスト)+ACAP(アンナプルナ自然保護プロジェクト)のもので、ここはTAAN(ネパール・トレッキング・エージェント協会)の発行したトレッキング許可証のチェックを受けるところだ。つまり、トレッカーはNTNCとTAANの両方に入山料を払い、2種類の許可証を携帯するのである。なるほどねえ。TIMSのチェック係はおじさんではなく、若い女性だった。野の花が咲き、わらびが顔を出す、まるで晩春のような野山をゆるゆる下って、12時30分、ダンプス(1650M)のホテル・サクラ着。サクラといっても日本とは何の関係もない。ただ隣家が風の旅行社経営の「月の家」だった。