Go Go Everest ! (29)―パンボチェへ2009/12/12 15:48

左は谷底

すっかり疲れ切って、歩く気のなくなった私は、「今日はここで泊まろう」と提案するが、テジくんは、「パンボチェまで下った方がいいです。パンボチェは3900Mですが、ペリチェはまだ4200Mあるし、風が強くて寒いです」と言う。確かにその通りなのだが、昨日の夜からほとんど何も食べていなくて、力が出ないし、歩き方が悪かったせいか、右足の右側面が痛い。よほど大きなモチベーションがなければ腰をあげられそうにない。そのとき、ふと頭に浮かんだのがスプライトである。実は、気分が悪くなってから、微妙にヤクの糞を燃やした臭いのするお湯を体が受けつけなくなり、お茶を飲むのが苦痛になっていた。さっきのホットレモンも吐き気を堪えて飲んだのだった。見ればロッジの商品棚にスプライトの姿はない。“パンボチェのロッジならスプライトが飲める”、そう思ったら、歩けそうな気がしてきた。(私って、ちっちゃ~い!) ところが、いざ歩き出してみると、下るだけと思った道が登っている。ペリチェの村を出てロブチェ・コーラを渡ると、そこからペリチェ・パスまで、左に谷底を見ながら山肌を登るという、高所恐怖症には向かない道だった。わかっていたはずなのに、“上りも下りもない”というテジくんの言葉に、また騙されてしまった。吐き気を堪えながらの、もう歩けない、歩きたくないと何度も思った辛い下りだった。16時25分、やっとの思いでパンボチェのエベレスト・ヴュー・ロッジ着。33315歩だった。着いてみたら、いつの間にか頭痛が消えていた。不思議。

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