Go Go Everest ! (12)―プンキ・テンガへ2009/12/08 09:37

アマダブラムが見えてくる

12月8日6時起床。今日はいよいよ第二の難所、プンキ・テンガからタンボチェへの高度差600Mを登るのだ。プンキ・テンガで早めの昼食をとることにし、逆算して8時にブッダ・ロッジを出発。初めは山肌に沿った平坦な道を歩き、サナサの先からプンキ・テンガまでが下りになる。途中、道路を修理している箇所があって、おじさんが修理代の寄付を募っていた。アンナプルナ地域では主に強力だったが、エベレスト地域は荷を運ぶ牛やロバの群れに頻繁にすれ違う。それだけ交易が盛んで、道が傷むことも多いのだろう。政府は何もやってくれないので、道の修理はポーター達がチップを出し合うのだそうで、ここのように、通行する人から寄付を集める場合もあるのだ。テジくんによれば、寄付はおじさんの収入になり、その中から人を雇って道を直すのだそうなので、だったらそんなに出さなくでもいいかと、ほんのちょっとだけ寄付しておいた。サナサの先でゴーキョ方面へ行く道とプンキ・テンガへ下る道との分岐点があり、そこで小休止。お茶を飲み、テジくんがカトマンズから運んできてくれたバナナを食べる。すると崖下に鹿が1頭歩いているのをテジくんがめざとく見つける。慌ててカメラを構えるが、ブレブレで何も写っていなかった。

Go Go Everest ! (13)―タンボチェへ2009/12/08 11:12

富士山の高さを超える

10時15分プンキ・テンガ(3250M)着。ドゥードゥ・コシの川辺にあるプンキ・テンガは、谷間で陽が射さないので、じっとしていると寒くなってくる。ABCトレックでは4000M近く登っても暑かったが、クーンブ地方はさすがに寒い。ダル・バートで昼食後、11時20分、タンボチェへ出発。しばらく登っていると、テジくんの携帯に電話が掛かってくる。携帯はガイドの必需品で、携帯で話しながら歩いているガイドをよく見かける。電波もどんどん奥地まで通じるようになり、クーンブ地方ではディンボチェまで繋がるそうだし、アンナプルナ方面も今ではシヌワまで携帯が使えるようになったそうだ。テジくんへの電話は妹さんからで、准看護婦の資格をとったものの、仕事が見つからないという。「政治家の親戚ならすぐ見つかります」とテジくん。民主制に移行したとはいえ、ネパール社会はまだまだ問題山積である。12時55分、タンボチェ(3860M)着。ナムチェからここまで16224歩だった。

Go Go Everest ! (14)―タンボチェにて2009/12/08 12:48

タンボチェから見たアマダブラム

タンボチェは山の高台にある村で、大きなゴンパがある。日程表では、今日はここに泊まることになっているのだが、もう少し先まで行きましょうとテジくんが言うので、お茶を飲んで休憩しただけで、出発することにし、加藤保男の慰霊碑にお参りに行く。加藤保男は、1982年に日本人初の冬期エベレスト登頂に成功したものの、下山中に天候が悪化し、33歳の若さで遭難死した登山家である。冬になるとエベレスト山頂までジェット気流が降りてくるのだそうで、おそらくは信じられないほどの強風に吹き飛ばされたのではないかと言われている。エベレスト登頂3度の天才クライマーも、自然の力には勝てなかったのだ。と、ふと見れば、慰霊碑の横に、もう1つ変な碑があるではないか。な、なんと、それは橋本龍太郎元首相のものだった。橋本龍太郎が、なぜここに? 謎は深まる。ま、どうでもいい謎だけどね。

Go Go Everest ! (15)―ショマレへ2009/12/08 14:22

ショマレへ

12月8日12時55分、大きな謎を残したまま(?)タンボチェを出発。ここからイムジャ・コーラを渡るまでは、ゆるめの下り坂である。タンボチェでは、アマダブラムまでは晴れて、きれいに見えたが、その奥のエベレスト方面には雲がかかっていた。その雲が下まで降りてきたのか、次第に辺りが曇ってきた。実は、こうして先を急ぐのは、トレッキングの予定を1日延長できれば、カラ・パタールの後、チョラ・パスを越えてゴーキョに行くことができ、1回のトレッキングでエベレストの景色を2度楽しめると言うテジくんの親切心からなのである(ナムチェでの話も、主としてそのことだった)。地図で見ると、チョラ・パスは5330Mもあり、4830Mのゾンラを早朝に発って、7時間もかけて登って下るという難所である。いったい登り嫌いな私にそんなことが可能なのだろうか。とりあえず、今回の目的地はカラ・パタールなので、カラ・パタールに無事に着いたら考えよう、と答えておいたのだが、テジくんはすっかりその気になっている。どうなることやら。イムジャ・コーラを渡り、高度差300Mほど登って、15時45分、ショマレ(4010M)のトレッカーズ・ロッジ着。ここまでで27223歩だった。登り27000歩は私の記録かもしれない。

Go Go Everest ! (16)―ショマレにて2009/12/08 19:04

アマダブラム夕景

ショマレのトレッカーズ・ロッジは、いつものロッジがシーズン・オフで閉まってしまったため、テジくんも初めて泊まるという宿だ。食堂に行くと、ナムチェで一緒だったフランス人夫婦が休んでいた。チトワンとポカラを回って、日程に余裕がなくなってきた二人は、ナムチェで高度順応日を設けず、私達より一日早く出発したのだが、ご主人の体調が悪くなって、ここで休んでいるとのことだった。二人のガイドはどこかへ遊びに行ってしまったのか姿が見えず、体調の悪いゲストを放っておくなんて、とテジくんが怒っていた。ナムチェのブッダ・ロッジでは電気ストーブだったが、森林限界を超えた、この辺りからは、ヤクの糞を固めたものを燃料にするため、独特の臭いがする。ストーブで暖まっているうちに、疲れが出て、うっかりウトウトしてしまった。目が覚めると気分が悪くなっている。しまった、高山病か。少し吐き気もして、夕食に注文したチョウメンを大半残してしまった。テジくんは、フランス人夫婦も夕食を残していたのを見て、「ここのおばさんの料理が美味しくないからですよ」と言うのだが。代わりにホットレモンに砂糖を多めに入れて飲んでおく。