ルンビニ巡礼―ああ無常 ― 2009/12/18 16:10
聖園を出て博物館へ向かう。丹下健三のプランでは、聖園はぐるりと丸い池に囲まれているはずなのだが、乾期のせいで水が少ないのと、草ぼうぼうなのとで、計画で作られた池というより、原っぱの沼地に見える。ほこりっぽい道をしばらく歩くと、平和の火が燃えているところに着く。平和の火から真北に向かって運河が掘られていて、「歩き方」によれば、“小型の舟を運航する計画がある”そうだが、実行されるのは何年、何十年先のことになるのか。水もなく、雑草だらけで、よく見れば、堀の東側はまだ土のままで、ところどころに作業をする人(家族)のための小屋があって、洗濯物が干してある。これがルンビニ園? 西側の完成した方の道を、博物館に向かってとぼとぼ歩いていると、昔は世界中から巡礼者を集めた生誕の地が、今は草に埋もれ、“諸行無常”な有様になっているのを、仏陀はむしろ喜ぶかもしれないと思えてきた。