カトマンズにて(12)―出発の朝 ― 2009/12/21 09:20
 
6時半に起きて、テレビでニュースを見る。昨日、怪我をしたのは機動隊員だったらしい。8時30分に食堂に行って朝食。隣の席にオーストラリア人の女性がいて、雲南を回ってネパールに来たという。風邪気味らしく、しきりに鼻をかんでいて、要警戒人物だったが、結局、彼女の席に移って話をすることになる。着いたばかりで、ゼネストのことを知らないというので、「マオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)が…」と話し出したら、“マオイスト”という死語が、ここでは今も生きていることに驚いていた。
カトマンズにて(13)―ダルバール広場へ ― 2009/12/21 10:00
 
食事を済ませ、部屋で荷物をまとめてしまうとすることがない。飛行機は15時30分発なので、普段なら午後ゆっくり出ればいいのだが、ゼネストなので早めにということになり、11時に迎えが来ることになっている。それでも時間があるので、最後の散歩に。今日ならダルバール広場の料金徴収所もストに違いないと、行ってみたら、思った通りだった。あちこちに散在するお寺にお参りに来る人で、スト中とは思えないくらい賑やかだ。去年は入れなかったハヌマン・ドカまで行くと、立入禁止のはずの旧王宮内にどんどん人が入っていく。何しに行くのか不思議に思って、私もくっついて入ってみると、ハヌマン門の裏に神様(シヴァ神?)の祠があり、そこにお参りに行く人たちだった。
カトマンズにて(14)―空港へ ― 2009/12/21 11:45
 
11時すぎにヒマラヤン・アクティビティーズのラグーさんが見送りに来てくれる。トリデーヴィ・マルグのモロッコ領事館前から空港行のシャトルが出ているのは昨日確認しておいた。ラグーさんに今回の旅のお礼を言い、次回の旅の案を話してみる。11時45分頃にトリデーヴィ・マルグに行ってみると、運よくシャトルが停まっていた。12時すぎに、満員の乗客を乗せたシャトルが空港に向かって出発。昨日はデモ隊と機動隊が睨み会っていたガウシャラの五叉路は、今日はデモ隊に制圧されていた。
カトマンズにて(15)―釣り銭詐欺に遭う ― 2009/12/21 12:31
 
シャトルは先にドメスティックを回ってから、12時30分頃、インターナショナル・ターミナルに到着。車内で車掌に料金100ルピーを徴収された際、500ルピー札しかなくて、「お釣りは後で」と言われたので、「お釣りは?」と訊くと、200ルピーしか出さない。ドメスティックで降りた日本人か韓国人らしい男性が200ルピー貰って首をかしげていた様子が浮かび、さてはこれが手だなと、「500出したんだから、400でしょ」と詰め寄る。私の隣に座っていたネパール人の青年(西洋人の名前を書いたパネルを持っていたので、ゲストを迎えに来た人らしい)も加勢してくれ、二人の勢いに押されて、しぶしぶ400ルピーを返してくれた。ストで皆が困っているときに、さらにネパールの評判を落とすようなことはしてはいけませんよ。
カトマンズにて(16)―待合室にて ― 2009/12/21 13:14
 
チェックインを済ませ、出国審査を受けて待合室に入る。去年は帰りの便が大幅に遅延になって、ここで真夜中までテレビを見て時間を潰したのだった。朝食に出たバナナとリンゴを食べて腹ごしらえし、ふと見ると、手荷物検査に長蛇の列が出来ている。出発までまだ2時間あるが、検査を済ませた方がいいかもと、行ってみると、長蛇の列は男性側だけで、女性側は列もなく、あっという間に済んでしまった。仕方ない。ゲート前の待合室に入ると、すごい人である。よく見ると、お揃いの帽子を被った人たちがいる。どうやら出稼ぎに行く団体らしい。モヘンドラくんも、あんな帽子を被って、仲間と一緒に湾岸に旅立ったのだろうか。心の中で彼らの安全と幸運を祈った。
