3度目のスリーパス- Day 6 Dingboche to Chhukung2017/03/07 15:04

12月12日晴れ
6時起床。河原のせいか、夜半、風の音が凄かった。7時30分、トースト、フライドエッグ、ミルクティーの朝食を食べ、8時に出発。ディンボチェ側から見たアマ・ダブラム(↓)、角度が違うので、これまでとまったく違う山に見える。数日後チョラへ行く途中で振り返ると、またまったく違う山に見える不思議な山。
ディンボチェ側から見たアマ・ダブラム
本当はチュクンで2泊してコンマ・ラ越えに備えたいところだが、18日間のトレッキングでは無理。チュクンで2泊するか、ゴーキョで2泊するか選べと言われたので、ゴーキョを選んだ。ディンボチェ(4410m)からチュクン(4730m)まで2時間半から3時間ほどなので、早めに着けば半日休める。
ローツェの壁
左にローツェの壁を見ながらイムジャ・コーラの河原を登っていく。氷河の跡なので基本的にガレ場。もう4000mを越えているので、急ぐとろくなことはない。ただし、息が切れるし、体力がないので、急ごうと思っても急げないが。
チュクン間近
チュクンの手前まで登って、イムジャ・コーラの合流点で来た道を振り返ったところ。右手の山はタボチェ・ピーク。
去年も泊まったカングリ・リゾート
10時30分、去年も泊まったカングリ・リゾート着。なんだか懐かしい。テラスでは、ソーラーでお湯を沸かしている(↑)血中酸素濃度を測ったら80%だった。12時にベジフライドライスとブラックティーの昼食。天気がいいので、タオルを洗い、トレッキングシューズの中敷きを取って干しておく。中が蒸れるとマメが出来やすくなる。14時頃、日本語を話す女性ガイドとポーターを連れた日本人女性2人組が現れる。ディンボチェから高度順応のための散歩に来たらしい。お茶を飲んで、また下っていった。私はひたすら日向ぼっこして体力を蓄える。
満月
夕方、アイランドピークに月が出た(↑)。18時、トマトチーズピザとミルクティーで夕食。明日はいよいよコンマ・ラ挑戦だ。

3度目のスリーパス- Day 7 Kongma La to Lobuche2017/03/07 20:12

12月13日晴れ。
4時30分起床。実は今回は主治医に頼んで眠剤を処方してもらってきた。いつも峠越えの前日は緊張して眠れず、歩く前にバテていた。スリーパスを達成するためには、まずは十分に睡眠をとること。それにはすんなり入眠できることだ。看護師に、記憶がなくなることがあるので、ベッドに入ってから飲むようにと指示されたが、それほど劇的には作用せず、効かないなーと思っているうちに、いつの間にか寝入ってしまう、という感じ。それでも、いつも眠れずに悶々としていたことを思うと格段の差である。
アイランドピークの朝日
6時にヌードルスープの朝食をとり、6時30分に出発。あたりはもう明るくなっていて、ヘッドランプの必要はない。チュクンから少し下って、ニャン・コーラの谷に入っていく。
コンマ・ラへの長い道
最初は谷の間をどんどん北へ登っていく。と、こんな感じの尾根に出る(↑)。日が射して温かく、草地なので歩きやすい。さらに、どんどん奥地へ歩いていくと、コンマ・ツェの山肌が見えてくる。ところどころで放牧されたヤクが草を食んでいる。
取り付きまでが長い
ここまでは問題なく、小さな池が見えてきたので、そろそろ峠かなと思ったら、まだ全然先だというので、がっかり。
ローツェと小さい池
小さな池を過ぎて、ちょっと大きい池のほとりで小休止。そろそろかと思ったら、峠の取り付きの池はもっと先だそうで、またまたがっかり。さすがにコンマ・ラ越えは長い。ロンリープラネットでは、チュクンからコンマ・ラが5時間、コンマ・ラからロブチェが4時間(休憩含まず)の設定である。
ようやく峠の取り付きに
11時40分、ようやくコンマ・ラの取り付きに着く。向こうに見える山を越えれば、あとは下るだけ。が、ここまでて相当体力を使ってヨロヨロしてきた私は(後から来たトレッカーに楽々追い越されてしまった)、ニルクマールさんにザックを持ってもらうことにした。初日の失敗の後、ザックを持というというニルクマールさんの申し出をここまで断ってきたのだが。
コンマ・ラから池を見下ろしたところ
12時15分すぎ、やっとコンマ・ラ(5535m)着。バテバテで写真を撮るのがやっと(後で自分の写真を見たら、我ながらぐったりしていて笑った)。チュクンのロッジで作ってもらったお弁当(ゆで卵とクッキー)を食べる気にもならない。本当はこういうところで、ちゃんと栄養補給をしないから、さらにバテるのだ。反省。
ロブチェはあそこ
峠からは今日の目的地ロブチェがすぐ近くに見える。が、近くに見えても、なかなか着かないのがヒマラヤ。ロンリープラネットが“このトレックで最も難しい箇所”と書いた通りの、想像以上の悪路、岩だらけでゴロゴロ滑る、半凍結した道なき道を下り、やっと平らな場所に出て、今来た道を振り返ったところ(↓)。
下から見たコンマ・ラ
しかし、ここはまだ途中。ろくに栄養補給もせず、すっかり疲れきった私の前に、クーンブ氷河のモレーンが壁にように立ちはだかる。疲れのせいで気持ちが悪くなり、水を飲みたいが、飲むと吐いてしまいそう。歩く気のなくなった自分を励ましつつ、休み休み、ゆっくり氷河を越える。暗くなる前にロッジに着かねば。
下ってから氷河越え
16時30分、ようやく反対側のモレーンを越え、ロブチェのロッジが見えてくる(↓)。大部薄暗くなってきた。
やっとロブチェが見える
16時50分、日が落ちる前にロッジに着き、体が冷えたので部屋で厚手の下着に着替える。疲れて食欲がまるでなく、夕食はパイナップルの缶詰で済ませた。そういえば、ランタン・トレックでも食欲がなくなり、缶詰を食べたことを思い出す。結局、チュクンから休憩を入れて10時間20分でロブチェに着くことができた。念願のコンマ・ラ越えを4度目にしてやっと達成。一番ハードな峠を最初に越えて、ちょっと気が楽になる。