チョラパス越えて(16)-ゴラクシェプ ― 2011/01/14 10:36
12月19日、6時50分起床。今日はクンブー氷河の縁を遡ってゴラクシェプ(5180M)まで高度差300Mちょっと登るだけ。昨日の疲れが残っているので、ゴラクシェプに着いたら休むと宣言。トースト・オムレツと紅茶の朝食を食べ、ゆっくり8時45分すぎに出発する。右手にヌプツェ(7861M)の壁を見ながらプモリ(7165M)を目指して歩いていくと、プモリの真下に黒々とした丘が見えてくる。あの丘がカラ・パタール(5550M)で、その下に広がる砂地がゴラクシェプだ。

11時15分頃、ゴラクシェプのブッダ・ロッジ着。去年泊まった同じロッジだが、ロッジの手前に大きなアンテナが立っていて、ソーラーパネルが並んでいた。これが今年新たに作られた携帯電話のための電波塔で、おかげでエベレスト・ベースキャンプまで携帯電話が通じるようになったそうだ。ブッダ・ロッジの食堂で、さっそく携帯電話(docomoのFOMA)を取り出し、日本に掛けてみる。日曜日の午後(日本との時差は、なぜかちょっと半端な3時間15分)なので、Sちゃんは留守電だったが、Mとは電話が通じ、「もう東京に帰ったの?」などという、とぼけた声が聞こえてきた。

昼食後、休憩しようとロッジのサンルームに行ってみると、ロブチェのロッジにいたドイツ人のカップルが食事をとっていた。ロブチェでも女性の具合が悪そうだったが、無理してゴラクシェプまで来たものの、やはり回復は無理だったらしく、しばらく休むと下山していった。

一人になってサンルームで昼寝。15時近くなると日が陰って寒くなってくる。そこで食堂に移って、ストーブに当たりながら休憩を続ける。そこにラスクマールさんが現れ、しばらくテジくんと話をして帰って行った。アンナ・リーズ達は別のロッジに泊まったのだが、そっちのゲストも彼女達だけ。ブッダ・ロッジも今日は私達だけだが、明日は10人のグループが到着し、賑やかになるという。夕方になると雲が出て、プモリが隠れてしまう。明朝カラ・パタールに登り、朝日を見ることになっているのだが、さて。
チョラパス越えて(17)-ヌプツェのご来光 ― 2011/01/14 11:32
12月20日5時40分起床、6時ちょっと過ぎにカラ・パタールへ出発。日の出の時間は6時半頃だが、山が高いので、実際に太陽が出てくるのは8時頃になる。カラ・パタールの上は寒くて長くいられないから、8時に着くように出ましょうというのがテジくんの意見だ。カラ・パタールの上がいかに寒いかは私も去年経験済み。辺りは既にうっすら明るくなってきていて、ヘッドランプの必要はない。

1時間ほど登って、ふと前を見ると、プモリの山頂に小さく朝日が当たり、白く輝き始めた。その白い部分が次第に大きくなっていく。すると小さな人影が見えてきた。それがアンナ・リーズとラスクマールさんで、日の出の時間に合わせて山頂に登ったため、案の定、寒くて我慢できずに降りてきたのだという。

7時50分すぎ、頂上まであと少しというところで、上から私達に向かって、日差しがぐんぐん広がってくる。後ろを振り向くと、ヌプツェの南側から太陽が顔を出すところだった。
7時53分、ご来光を背に記念写真。富士山とは、また違う、ダイナミックな日の出だった。

8時20分、カラ・パタール山頂に到着。クンブー氷河の向こうにそびえるエベレストにしばし見とれる。

が、やっぱり、テジくんの言う通り、去年見た夕焼けのエベレスト(http://123soleil.asablo.jp/blog/2009/12/11/4802867)の方がきれいかもね。