Road to Machupicchu(1)2007/07/04 09:49

初めてのトレッキング・シューズ

インカ道を利用したトレッキング・ツアーに参加して、マチュピチュへ行くことにした。トレッキング初心者として、まずやったことは足元の確保。インカ道は石造りということで、むしろ履き慣れたスニーカーの方がいいのではないかと思ったが、登山用具店の店員さん(いかにもワンゲル出身っぽい)から言下に却下されてしまい、初めてのトレッキング・シューズ購入となる。商売上手(?)な店員さんは本格的なものを薦めるが、この先、トレッキングを趣味として続けていく勇気がないので、少々ランクダウンさせてもらう。そんなに立派なものは必要ないんだもん。それに、なにしろ高いんだもん。今回、登山用具専門店に初めて足を踏み入れてみて、中年登山ブームを実感。中年夫婦がどんどんやってきては大人買いしているのだ。でも、登山ウェアって、色といい、デザインといい、どうしてこうもダサいんだろう。ちょっといいなと思うものは外国製で、当然のことながら高い。スキーウェアがスノーボーダーの登場で一気にタウンウェアっぽくなったような、劇的な改革ができないものだろうか。とりあえず、登山ブームが団塊の世代に留まっている間は無理かな。

Road to Machupicchu(2)2007/07/04 10:17

古都クスコの通り

6月20日に成田を発ってヒューストン経由でリマへ。リマで2泊し、6月22日にようやくクスコへ到着。空港でツアー会社の出迎えを受ける。ここからは全部ツアーで決められた通りに動けばいいので一安心だ。リマで一人で観光していたときは、ちょっぴり心細かったからね。クスコはインカ時代の首都で、ケチュア語ではコスコという。太平洋に面したリマから海抜3400mのクスコへ一気に上がったので、さすがに高山病が心配だったが、ツアー会社がよく考えてくれていて、ホテルに荷物を置いて一息入れると、すぐに徒歩での市内観光へ連れ出される。ガイドのグラシアさんと日本語の通訳ノエミちゃんの二人が付いてくれる。クスコは山の斜面に、ピューマの形に設計された古都で、したがって道に傾斜がある。ふだんなら何でもない坂道だが、いきなり3400mに上ってきた身には、これが結構きつい。しかも時差が直っておらず、遺跡の由来を聞いているうちに、2度ほど気絶しそうになってしまった。翌日は、二人と一緒に運転手付きミニバスで近郊の遺跡観光。ここまでツアー客はずっと私一人。なんとも贅沢な観光だが、ということは、トレッキングのグループで日本人は私一人ということだ。余計な気を遣わなくていいのでホッとする、と同時に、大丈夫かあ、という気も。

Road to Machupicchu(3)2007/07/04 10:38

生葉を使ったコカ茶

6月24日朝6時、いよいよ出発。迎えのバスがクスコのホテルを回ってツアー仲間を拾い、一路トレッキングの出発地点に近いオリヤンタイタンボへ。ここでトイレ休憩する間、地元の物売りおばさんからトレッキング用の杖とミネラルウォーターのホルダーを購入する。杖は1本5ソル(約200円)、ホルダーは1つ3ソル(約120円)。杖はいらない(だって、なんだか富士登山みたいじゃん)と思ったが、「持っていた方がいい」というガイドのニロ君の言葉を信じることにする。トイレを貸してもらったカフェ兼雑貨屋さんでコカ茶を飲む。ホテルのコカ茶はティーバックだったが、ここのコカ茶は生の葉を使った本格的なもの。ちなみに、物売りのおばさんたちは葉っぱをビニール袋に詰めて売っていた。コカ茶の味は、日本の健康食品店でよく売っている、枇杷だの、ドクダミだのの煎じ茶の一種といった感じ。ポーターの人たちはコカの葉っぱをよく噛んでいるようで、以後、先々でコカの匂いがした。覚醒効果があって、元気が出るというが、私の場合、効果は微妙。食べるのではなく、噛んで吸って吐き出す。なんだか東南アジアのびんろうに似ている。モンゴロイドに共通なチューイング文化というのがあるのだろうか。

Road to Machupicchu(4)2007/07/06 13:08

ウルバンバ川にかかる吊橋

インカ・トレイルの入口、Km.82地点のウルバンバ川にかかる吊橋までやってきた。橋のたもとに管理事務所があり、ここでパスポートを見せ、事前に提出していた入山届のパスポート番号と照合、参加証明書にスタンプを押してもらう。橋を渡ると、いよいよ4泊5日のインカトレイルの始まりだ。日本での説明では、初日は平坦な道を14Kmほど歩くだけということで、楽勝と思っていたのだが、歩いてみたら平坦とは名ばかりの坂道だった。Km.82は海抜2654m、初日のキャンプサイトは2954mなので、つまるところ、都合300mは上ることになっていたのだ。前夜、ちょっとしたアクシデントがあって、睡眠時間2時間足らずの身に、この“ペルー式平坦路”(ガイドのニロ君の表現)が結構こたえた。

Road to Machupicchu(5)2007/07/06 13:22

6月25日、インカ・トレイル2日目。南十字星がきれいだった一夜が明けて。曇り空の下、いよいよ“デッド・ウーマンズ・パス”と呼ばれる4234mの峠へ向けて出発。ここをいかに乗り切るかが最初の山場だ。いったん3784mまで上り、昼食をとってから、いっきに峠を越える。ガイドのニロ君とアシスタントのアドミール君に、「大丈夫、歩けなくなったら、おぶってあげる」と言われていたことが頭をかすめる。そんな醜態はさらしたくないなあ。昨日より、道ははるかに急で、空気も薄い。10mも進むと息が切れ、心臓がバクバクしてくる。行く手に見える凹みが峠、ではなくて、そこから左へさらに急な山道を上がったところが目指す峠だといわれたときはがっかり。