山は遠かった(Day8)―Sing Gompa to Gosainkund ― 2014/01/12 13:00
12月17日6時起床。風がなく比較的暖かだった。7時半にチベッタンブレットとハチミツ、ミルクティーという今回の定番となった朝食を食べ、ドゥンチェへ下るNさんたちとお別れし、8時に出発。シンゴンパはゴサインクンドへ行く人が大勢泊まるので、ロッジが大きく、きれい。奥に見える赤いとんがり屋根がシンゴンパの名前の由来となったゴンパだ(↓)

しばらく歩いて振り返ると(↓)シンゴンパのロッジ群が見える。ドゥンチェには向かいに見える山の向こう側に下っていく。

9時20分頃、チャラン・パティ(3550m)着。高度が上がり、北側にランタン峰がくっきり見える。途中、ラジューくんがジャコウジカを見つけて教えてくれたのだが、視線を合わせる前に消えてしまった。残念。

チャラン・パティからゴサインクンド自然保護区に入り、鳥獣を殺したり、薪を燃やしたりすることが禁止になる。

11時少し前にラウルビナ・ヤク(3920m)着。ヴェジ・ヌードルスープとホットレモンで昼食。シンゴンパのロッジ(レッド・パンダ)で一緒だった人たちと一緒になる。ドイツ語を話していたのでドイツ人かと思ったらスイス人で、30代の男女のカップル2組にガイドとポーターが1人ずつ付いた計6人のグループ。私たちと同じルートを下るので、この先ずっと一緒だった。

12時にラウルビナ・ヤクを出て、40分ほどでお釈迦様の祠につく。そこから見た素晴らしい眺め。右に大きく見えるのがガネッシュ・ヒマール、左に遠く見えるのがマナスル・レンジ。

祠からゴサインクンド方向を見たところ。正面の山の右手を巻いていった、その先がゴサインクンドだ(↑)

13時すぎ、山を巻いたところで、最初の湖サラスヴァティークンドが見えてくる(↑)サラスヴァティーとはヒンドゥー教の女神で、弁財天のこと。

さらに40分ほどでゴサインクンドへの最後の峠に着く。峠から歩いてきた道を振り返ったところ(↑)峠の祠にはガネーシャが祀ってあった。ガイドブックには“この道は南向きなので雪はすぐ溶けるが、積雪が多く、コンディションが悪いときはドゥンチェへ引き返すこと”とある。確かに足を滑らせたら危ない。

左手の山道の先にゴサインクンドのロッジが小さく見えてくる。右手の湖はバイラヴクンド。

14時20分、ゴサインクンド(4400m)のホテル・ナマステ着。ゴサインクンドにはロッジが数軒あるが、全部開いているのは祭りの時期だけで、あとは各ロッジが順番に1週間ずつ営業するのだそう。ゴサインクンドはヒンドゥー教と仏教の両方の聖地で、夏には大勢の信者が巡礼に来る。湖の畔にヒンドゥー教徒用と仏教徒用の集会所が別々に建っていた。

ロッジのテラスからゴサインクンドを見たところ。湖の横から峠に向かう道が明日歩くルートである。
山は遠かった(Day9)―Gosainkund to Gopte ― 2014/01/12 13:28
12月18日6時起床。今日は300m登って1320m下る長いルートなので、いつもより30分早く、7時にポテト・オムレツとブラックティーの朝食をとり、7時半すぎに歩き始める。と、すぐ登りに。途中、ラジューくんがロッジに忘れ物をしたのに気づき、湖を見下ろす祠で小休止。左(東)の方からゴサインクンドに朝日が差し始める(↓)

峠を目指して登り続けると、次第に道の上に残雪が目立つようになる。峠越えは大丈夫だろうか。実は軽アイゼンをカトマンドゥのホテルに置いてきてしまったのだ。

9時少し前、スールヤクンド通過(↑)スールヤとはサンスクリットで太陽の意味。さらに雪が多くなり、ついに道が完全に雪で埋もれてしまう。トレッキングシューズが滑るので、ラジューくんor/andゴレくんに手を引いてもらうことに(↓)

9時頃ラウルビナ・ラ(4610m)通過、土の道に戻ってホッとする(↓)。しかし、前方の下界を覆う雲の意味を、このときはまだ自覚していなかった…。

10時頃ベラ・ゴス(4230m)の先で、タレパティへの別れ道に。

写真中央(↑)の岩の上に見える筋が、“非常に急峻な箇所が幾つかあるので、雪が少しでもあったら絶対に行ってはいけない”とガイドブックに注意書きのあるタレパティへのダイレクト・ルートだ。私たちは、もちろん下のゴプテを経由する道へ。

まもなく、下から吹き上げてきた霧で辺りが霞み始める。下界は雲ってたからな、などと思いつつ、のんびり歩きながら写真を撮っていたら、白い花と思って撮ったものが、風で飛ばされた雪が枝に凍り付いた雪の花だと分かり、異変に気づく(↓)

霧と雪の花で、次第に辺りが白く見え始める。道も凍結し、足下が怪しくなる。10時50分フェディ(3740m)着(↓)、不安を抱えながら、ヴェジ・ヌードルスープで昼食。

12時、再びゴプテに向けて出発。不安は的中し、空は完全に曇って、道はさらに凍結。トレッキングシューズがあまりに滑るので、ゴレくんに手を借りなければ、まともに歩けなくなる。我ながら情けない(とはいえ、ラジューくんもゴレくんも履いているのは普通のスニーカーなのだから驚く。ゴレくんに至っては靴が破れているのだ。ネパール人て、どうなってるんだろう?)

今回通った中で最も怖かった坂(↓)浸み出した地下水が凍りついて、まるで氷の川のよう。下り終わってから記念に写真を撮った。途中は怖くてカメラを出す気にもならなかった。

さらに凍結路を下り、「これが最後の丘です」とラジューくんが言うので記念に撮った写真(↓)やっとの思いで、この坂を登って左へ曲がったら、30mくらいある崖が立ちはだかっていて(もちろん雪で凍結)呆然とした。今思い出してもよく登れたものだと感心する。もちろん二人に押したり引っ張ったりしてもらったから登れたんだけど。

“最後の丘”の後も、凍結路の登り下りを繰り返し、14時50分頃、やっとゴプテ(3440m)着。ナマステ・ロッジで今回2本目のスプライトを飲む(↓)寒いので温かい飲み物の方がいいかとも思ったが、飲まずにはいられなかった。ゴサインクンドからゴプテまでは、ロンリープラネットの標準タイムで5時間半(休憩含まず)のところ、7時間20分(休憩含む)かかった。

18時にシャクパ・スープとホットレモンで夕食。明日は今日より長丁場だ。