ヒマラヤ巡礼2013/03/01 10:04

イギリスの仏教学者デイヴィッド・スネルグローヴが1956年に行った西ネパール調査行の記録「ヒマラヤ巡礼」を読んでいる。口絵に載っている“ラプギャルツェの砦の廃墟”とは、私が一昨年のアンナプルナ・サーキットで、ムクティナートからカクベニに行く途中で寄ったゾンのこと。
1956年の砦
スネルグローヴの頃のラプギャルツェの砦の廃墟(↑)と、私が立ち寄った頃の廃墟の村ゾン(↓)。モノクロとカラーの違いはあるが、頂上にゴンパが新設された他、形はあまり変わっていないように見える。
2011年の砦
背景にある白い山はダウラギリ。
砦の上へ向かう
砦のゴンパを見学に行った。見晴らしもよく、前の日に越えたトロン・パスがよく見えた。

富士十合登山―2日目2011/08/26 09:57

8月23日、寝床で寝ていると、風の鳴る音が聞こえ、いかにも天気が悪そうだ。4時40分頃、外に出てみると、こんな空(↓)だった。雲が切れて、少しだけ空がのぞいていたが、その後はまた雲に覆われ、二度と空は見えなかった。風は少しあるが、雨はそれほどでもなく、去年紗那美ちゃんと登ったときほど、ひどくはない。ただ、歩き出してみると、さすがに足が重い。
ちらりと見えた空
霧の中を黙々と登るうちに、雨脚が強くなってくる。上を見ると九合目あたりから先は霧に隠れ、これでは山頂に行っても景色は何も見えないだろう。5時20分、白雲荘まで登ったところでリタイアを決意。蓬莱館まで下って、下山道に入る。
白雲荘(3200M)前
6時40分、六合目安全指導センターまで下る。山頂まで登れたら、ここから河口湖口五合目に出て高速バスで新宿に戻るつもりだったが、時間も早いし(10時30分までバスがない)、途中で折り返したことでもあり、その分歩くつもりで吉田口ルートを馬返しへ向かう。
六合目は再び霧
7時、佐藤小屋で小休止。雲が切れて、雨があがってきたので、雨具を脱ぎ、ザックカバーを仕舞う。そこで、どこかでサングラスを落としてきたことに気づく。とはいえ、探しに帰るのは不可能なので、そろそろ失くし時だったのだと思って諦める。雨でつるつる滑る山道を下って馬返しまで戻ると、昨日は閉まっていた茶店が開店していて、おじさんから「寄っていかない?」と声をかけられる。まだ9時少し前で、富士山駅行きのバスまで1時間半も待たねばならない。下りは好きなので、行けるところまで歩いてみるつもりで、吉田口遊歩道に入って下り続ける。
吉田口遊歩道のススキ
途中、小学生と父親の2人組とすれ違う。声をかけると、これから山頂を目指すのだという。「昨日、今日が悪天候だったので、明日はきっと晴れますよ」と言って励ます。朝の曇天がウソのように晴れ、ススキが風に揺れる富士山麓はすっかり秋模様だ。
今年から運行を始めた馬返しバス
10時ちょっと前に中の茶屋に到着。さすがに疲れて足が動かなくなってきた。このまま勢いで浅間神社まで歩こうと思ったものの、“クマに注意”の看板ですっかり気持ちが萎え、中の茶屋のバス停で10時40分の富士山駅行きバスを待つことに。10時20分に馬返し行きのバスが来ると、なんと満員である。運転手のおじさんに、帰りに拾ってくれるよう声をかけ、折り返してきたバスに乗って富士山駅に戻る。帰りの乗客は私1人だった。
中の茶屋からバスで駅へ。
10時57分、富士山駅着。10時59分発の高速バスに飛び乗って、12時50分に新宿着。帰りはあっという間だった。
さて、来年、山頂に到達し、十合登山を完全達成するには、今後どうやって脚力をつけるかが大きな課題だ。うーん…。

富士十合登山―1日目2011/08/23 23:28

8月22日、去年から計画だけはしてきた富士十合登山をいよいよ決行。今年から富士山駅(元富士吉田駅)から馬返しまでバスが通じるようになって、徒歩約3時間が短縮できるのも後押し。あいにくの曇り空の下、富士山駅10時発の満員のバス(といっても10人乗りのバン)で馬返しへ。
富士山駅馬返し行きバス停
10時30分、馬返し着。霧が出てくる。バス停の横に簡易トイレが2個備えつけられている。富士登山ブームで麓から登る人が増え、バスの便が出来たりしたせいで便利になってきた。トイレを借りているうちに、同行の乗客は全員出発してしまった。姿が見えなくなったところでテクテク歩き出す(この先、佐藤小屋まで、ずっと一人旅だった)。
今年から出来たバス停
馬返しから登山道を曲がると、狛犬の代わりに猿が立っている鳥居がある。本来は鳥居を通り抜けて登っていったのだろうが、今は崩落の危険があり、立入禁止。で、ぐるっと迂回。
一合目、狛犬が猿
11時50分、三合目三軒茶屋跡(1840m)着。霧が晴れて、日が出てきた。五合目からの富士登山ではとても考えられない、木漏れ日の登山道をさらに登っていく。
三合目、荒廃した三軒茶屋
13時10分、佐藤小屋着。再び雲が出てくる。馬返しで先に出ていった中年4人組と若いカップルに追いつく。
佐藤小屋が見える
佐藤小屋で、コンビニおにぎりの昼食をとり、少し休憩してから出発。13時40分、経が岳の日蓮聖人像の前を通過。
経が岳の日蓮聖人像
14時、六合目安全指導センター着。スバルライン五合目から来た大勢の登山客と合流、いきなり賑やかになる。
6合目安全指導センターが見える
いよいよ本格的な登りに。すでに3時間あまり歩いて足が重い。花小屋までは予定より30分早いペースだったが、鎌岩館あたりから、混雑で登山道が詰まってしまい、休み休みの登りに。途中で、はとバスのツアーを追い抜き、16時30分に太子館着。さすがに疲れた。
おなじみ、太子館のカレー弁当
17時20分、太子館名物カレー弁当で夕食。1人前のおひつが可愛い。が、あまりに疲れていて、おひつを空にすることができなかった(クッソー)。山頂でご来光は混むだろうと、日の出と同じ頃に出発することにし、することもないので、早めに寝る。すると、次第に風が出て、天気はさらに下り坂に…。

富士登山2011-2日目2011/07/17 08:43

7月13日0時に集合、30分後に再び登山開始。九合目の岩場のあたりから、角々に安全指導員のおじさんが立っていて、交通整理をしていた。いつもは、それほど混まないうちに登っていたので、こんな“サービス”があるとは知らなかった。とはいえ本格的に混み始めるのは、週末の連休からだろう。
山頂に到着
4時20分すぎに山頂に到着。東の空が明るくなっているが、日の出には、まだ少し間がある。
太陽が顔を出す直前
暗かった空が赤く染まり始める。
雲が染まり始める
日の出。
明るくなってくる
日の出と同時に頂上久須志神社から、あいかわらず“富士山”のチャイムが流れる。こういうサービスはいらないと思う。
日の出の富士山頂
下山時は快晴。Sさんが雲から顔を出している山々を説明してくれる。右から八ヶ岳連峰、北アルプス、南アルプス。日本の屋根を下に見る。
富士山から見える山々
足を痛めた年配の男性が出たが、足周りのプロ、Sさんの見事な先導によって、4時間かからずに五合目に戻る。
仕上げはこれ
帰路、山中湖の紅富士の湯へ。予定よりずっと早いので、たっぷり2時間20分も休憩。ぬるめの露天風呂にゆっくり浸かって、生ビールで仕上げる。高速も問題なく、4時前には新宿に着いてしまった。

富士登山2011-1日目2011/07/17 08:09

今年も富士山に行ってきた。いつもよりちょっと遅めの7月12日に出発。今回も、はとバスのツアーにお世話になる。今回の添乗員のIさんは、去年、紗那美ちゃんと一緒に登った、あの過酷な富士登山のときと同じ人だった。こっちは忘れていたけど、向こうが覚えていてくれ、山頂で突風に吹き飛ばされそうになったことを思い出す。
先行き不安な雲行き
おなじみ五合目雲上閣前。曇っていて富士山は見えず。ガイドはSさんと言って、トレイルラン界では有名なランナー。月並みな表現だが、かもしかのようなすらりと筋肉質な足の持ち主。
新しくなった看板

六合目安全指導センターに到着。案内板が新しくなっていた。
富士山犬発見

七合目で富士山犬(?)発見。花小屋の飼い犬らしい。飼い主に怒られたのか、何か言いたいことがあるのか、恨めしそうな顔で、すねていた。
岩場の登り続く
天気はずっと曇り。下界の景色が見えないまま黙々と登る。
雲が切れて山中湖が見える
八合目に入って、やっと雲が切れ、山中湖が顔を出す。
太子館到着
はとバス指定の山小屋、太子館が見えてくる。
太子館名物カレー定食
おなじみ、太子館の夕食。カレーとおかず。おかずのウィンナーが心なしか去年より大きくなっていた。
八合目からの眺め

食事を終えて、太子館から見た夕景。再び曇ってくる。