Road to Machupicchu(番外編2)2007/08/02 10:57

聖なる石

マチュピチュへ行くと決めたのは、ほとんど偶然の成り行き。体力のあるうちにインカ道を歩いてみたいと前々から思っていたこと。仕事漬けで忙しかった2月に、自己逃避的にネットを検索していて、ツアーの情報に行き当たったこと。ちょうどその頃、友人からマチュピチュ閉鎖の噂を聞いたことが引き金になった。ペルーでも、閉鎖の噂はずっと気になっていて、クスコの警察署で手続きを待っている間、思い切ってフリオ君に質問してみた。「いつかは、まだはっきり聞いてないけど、噂は本当」と彼。「ただし、そんなに長い間ではないよ」とも。現地に行ってみると、クスコという町全体がマチュピチュ観光で成り立っていることがわかる。ゆえに長期の閉鎖はありえない。だが、観光客で賑わう遺跡を見ると、観光と遺跡の修復・保存とには大きなギャップがあることがわかる。ゴミ捨て禁止のインカ道にさえガムやキャンディーの包み紙が捨てられていたし、立ち入り禁止のロープが張ってある中に平気で入ってしまう日本人のおばさんや、ワイナピチュの山頂では、煙草を吸っている日本人の青年までいた。煙草はさすがに目にあまるので注意した。ワイナピチュからの帰り道、トレーシーから「さっき、あの男の子たちに何と言ったの?」と尋ねられた。「ここは禁煙ですよ、と言ったのよ」と私。「日本の恥を世界にさらさないでね」という後半部分は、恥ずかしいので黙っていた。