はるばるコルシカ島(1)2010/05/06 18:17

初コルス

5月6日からコルシカ島に来ている。島民である友人Dの招待だ。Dとは20年くらい前から毎年カンヌで会う映画の友。何度か遊びに来るよう誘われていたのだが、行くと決めて、コルシカ島のことを調べてみたら、あの「地球の歩き方」にもまったく記載がない、ネパールより僻地な島であることが判明した。かくいう私も、ナポレオンの生家があるアジャクシオくらいしか知らなかったが、Dの働くシネマテークは島の東南のポルト=ヴェッキオという港町にあり、フィガリという空港を利用する。鉄道は西側に1本しかないし、バスの便もほとんどなく、車が運転できないとすごく不便なところだが、幸い、空港までDが迎えに来てくれた。ちなみに、日本ではコルシカとイタリア語読みにするが、フランス領土なので、ラ・コルスと呼ぶのが本当。

はるばるコルシカ島(2)2010/05/06 19:44

シネマテーク・ド・コルスの入口

ポルト=ヴェッキオに着き、さっそくシネマテークを表敬訪問。建物は、近代的で美しく、120席と350席の2つのホールがあり、コルシカとコルシカ人に関するあらゆる映画を収集している。さっそくコルシカ島で撮られた5分のドキュメンタリー『鏡の向こう側』と、ジャック・タチの最後の作品『フォルツァ・バスチア』を、小さい方のホールで見せてもらう。

はるばるコルシカ島(3)2010/05/07 18:52

崖の上のマリー=ジョゼ・ナットの家

コルシカ滞在2日目は、Cさんの車で南端の港町ボニファシオへ。旧市街は港を見下ろす小高い丘というか、巨大な岩の上にあり、世界遺産に指定されている。港でDと合流し、トム・クルーズも来たというDの友人の店で昼食を食べた後、旧市街へ。見晴らしがよく、サルデーニャ島がくっきり見えた。町のベストポジションに建っているのが、女優マリー=ジョゼ・ナットの家だ。

はるばるコルシカ島(4)2010/05/07 19:08

コルシカ島の形の洞穴

旧市街を見物した後、また港に戻り、湾をめぐる1時間のクルーズへ。Dの手配で、無料で船に乗せてもらえることになっていたのだが、行ってみると、乗客は3人の親子連れしかいなくて、あと4人集まらないと船が出せないという。ハラハラして待っていたら、それでも出航までに、あと2組現れ、合計大人11人(うち無料客2人)と子供1人でクルーズへ。海から奇岩を眺め、波が開けたグロット(洞穴)を訪問。ちょっとしたカプリ気分を味わう。

はるばるコルシカ島(5)2010/05/08 02:11

危険なカーブと険しい岩山

コルシカ滞在3日目。午後からDの友人のJ=Pさんの車で、ポルト・ヴェッキオから1時間ほど内陸に入った、海抜1315Mのプンタ・ディ・ア・ボカ・モルタ山を目指す。道はかろうじて2車線あるが、ガードレールはまったくなく、途中から舗装も怪しくなる。一部、ドイツ軍が切り拓いた軍用道路のままのところもあるという。パリの友人Mが車を運転していて、あまりの急カーブゆえ崖から落ちたという話もなるほどと頷ける。幸い、J=Pさんはボカ・モルタのそばのオスペダーレという村の出身で、山火事の防止活動や環境保全運動で、土地のことなら何でも知っている。カーブのそこここに、交通事故の犠牲者の家族が建てた小さな祠があって(日本ならお地蔵さんだが)聖母像が祀られているのを見ると、あまりいい気持ちはしない。J=Pさんは、どこでどういう事故があったか、みんな知っていた。