うゐの奥山行(22)―ジヌーからランドルクへ2009/01/18 09:34

ランドルクへの山道

ロッジに戻ると、アジア人のトレッカーが独りで食事をしていた。「アンニョンハセヨ」と挨拶してみたら、やはり韓国人だった。ガイドを1人連れた単独行で、英語がペラペラだ(あなたは日本人にしては英語がうまいですね、と誉めてくれた)。これからABCに向かうというので、昨日の朝、ABCから下りるときに大勢の韓国人トレッカーとすれ違った話をすると、「18人のグループでしょ、噂を聞きました」という。なんと彼らは羊を1頭連れていて、さばいて食べるのだそうだ。さすが焼肉の国である(まさか聖域内で殺生はしないだろうが)。彼も目の前のフライド・ポテト(といっても、ゆでたジャガイモを炒めたもの)を眺めながら、「キムチが恋しいなあ」といい、ザックからチューブを出して皿の上に絞りだしたらコチュジャンだった。どこにでも梅干しを持っていく日本人と似ている。真新しい金属製の水筒を見せ、「これにお湯を入れておくと温かいんですよ」という。実はマチュピチュ・トレッキングのときに私も同じことをして具合がよかったので、今回も持参していたのだが、毎晩テジくんがゴムの氷嚢にお湯を入れた“湯たんぽ”を持ってきてくれるので、私の水筒はついにモヘンドラくんに預けたバッグから外に出ることはなかった。「ああいう水筒より、こっちの方がお湯が冷めないんです」とテジくん。私は寝るときも“お姫様”だったのである。

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